脳動脈瘤とは?症状・原因・治療、そして“早期発見”の重要性(奈良県橿原市|脳神経外科|MRI検査)
■ そもそも「脳動脈瘤」とは?
脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)とは、脳の動脈の一部が風船のように膨らんでしまう状態を指します。多くの場合は 自覚症状がほとんどなく、健康診断や MRI/MRA検査で偶然見つかることが多い疾患です。
● 破裂すると「くも膜下出血」に
脳動脈瘤が破裂すると重篤な くも膜下出血を起こし、
死亡率は約30%、社会復帰の確率は50%以下と言われています。
だからこそ、破裂前に見つけて管理することが非常に重要です。
■ 脳動脈瘤の主な原因
脳動脈瘤は様々な要因が複雑に関与します。
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加齢
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高血圧
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喫煙
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遺伝的背景(家族歴)
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動脈硬化
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女性ホルモンの影響(閉経後に増える傾向)
特に、50歳以上・高血圧・喫煙者・家族にくも膜下出血を起こした人がいる方はリスクが高まります。
■ どんな症状が出る?
破裂前の脳動脈瘤は、多くが無症状です。
ただし場所によっては、眼瞼下垂(まぶたが下がる)などを認めることがあります。
しかし、症状が出てからでは遅いケースがほとんどです。
■ なぜ「MRI/MRA検査」が重要なのか?
● ポイント1:症状が出ないうちに“存在を知る”
脳動脈瘤は 早期発見すれば事前に対応して破裂リスクを下げることができます。
MRI/MRAは放射線を使わず、身体への負担も少ないため、極端な話、何回検査しようが人体に害はでません。ですので脳ドックで最も多く使われる検査です。
● ポイント2:小さな動脈瘤も発見しやすい
2〜3mm程度の小さな脳動脈瘤でも、MRI/MRAで見つかることがあります。
● ポイント3:定期フォローで破裂予防
動脈瘤は“育つ”ことがあります。
一度見つかった場合は、半年〜1年ごとのMRIで経過観察することで安全を確保できます。
■ 橿原・奈良で脳動脈瘤を心配される方へ
当院のMRI検査の特徴
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高解像度MRIによるMRA撮影が可能
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土日祝日も検査対応
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脳神経外科専門医が画像を丁寧に確認し、必要な場合は治療方針を提案
脳動脈瘤は、見つけることが最大の予防です。
気になる症状がなくても、リスクのある方は一度検査をお勧めします。
■ 脳動脈瘤の治療は?
破裂前に見つかった場合、治療の選択肢は主に以下の2つです。
① コイル塞栓術(血管内治療)
足の付け根や手首からカテーテルを入れ、
瘤の内部に「コイル」を詰めて破裂を防ぐ方法。
身体への負担が少ない治療です。
② クリッピング術(開頭手術)
外科的に脳動脈瘤の根元をクリップで挟む方法。
確実性が高く、特に若年者や大きい瘤に有効です。
治療が必要かどうかは、動脈瘤の大きさ、形、場所、患者さんの年齢や全身状態で総合的に判断します。院長は血管内治療専門医も取得していますのでどの治療が妥当かアドバイスをすることももちろん可能です。
■ どんな人がMRI検査を受けた方がいい?
次の項目に当てはまる方は、特に検査をお勧めします。
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40歳以上
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高血圧の治療中
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喫煙歴がある
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家族に「くも膜下出血」になった人がいる
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コレステロール・血糖値が高い
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過去に脳ドックを受けたことがない
- 日本人で女性(日本人とフィンランド人、性別でいうと女性で動脈瘤の破裂リスクは高くなるという統計データがあります)
■ まとめ:脳動脈瘤は“気づかないうちに存在し、破裂すれば命に関わる疾患”
しかし、
MRI検査で早期発見すれば、破裂を防ぎ安全に生活を続けることができます。
橿原脳神経外科クリニックでは、
脳神経外科専門医が一人ひとりに合わせて
**「検査 → 診断 → 経過観察 → 必要なら治療の提案」**までトータルでサポートいたします。
■ 参考文献(例)
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Vlak MHM, et al. Prevalence of unruptured intracranial aneurysms. Lancet Neurology. 2011.
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UCAS Japan Investigators. The natural course of unruptured cerebral aneurysms in a Japanese cohort. NEJM. 2012.
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Greving JP, et al. Development of the PHASES score for prediction of risk of rupture. Lancet Neurology. 2014.
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Etminan N, et al. Unruptured intracranial aneurysms: Lancet Review. Lancet. 2023

