頭痛が起こる主な箇所は3つ
頭痛は、その痛みが生じる場所によって大きく前頭部・側頭部・後頭部の3つに分けられます。
どの部分に痛みが出るかによって、考えられる原因や関係する病気が異なります。
たとえば、前頭部の痛みは副鼻腔炎(蓄膿症)や眼精疲労、緊張型頭痛などでみられることが多く、側頭部の痛みは片頭痛や群発頭痛、側頭動脈炎といった病気が関係していることがあります。また、後頭部の痛みは首や肩の筋肉のこり、姿勢の悪さ、頚椎の異常などから生じることが多く、頚椎症性頭痛(緊張型頭痛)などが代表的です。
このように、頭痛の「痛む場所」を手がかりにすることで、原因の特定や適切な治療につなげることができます。
痛みの部位や頻度、痛み方(ズキズキ・締めつけ感・重だるさなど)を把握しておくことが、診断の大きな助けになります。
頭痛+前頭部(おでこ)が痛い
考えられる原因と症状・病気
緊張型頭痛
最も一般的な頭痛は緊張型頭痛で、全頭痛の約7割を占めます。肩や首の疲労、ストレートネックなどが主な原因です。
症状
ぎゅーと締め付けられる痛みが生じます。
群発頭痛
前額部から眼の周囲にかけての激しい痛みが特徴の群発頭痛は、特に男性に多く、およそ1000人に1人の割合で見られます。
症状
日常生活ができないほどの頭痛が15分程度持続します。
帯状疱疹
「刺すような痛み」と表現されることもあります。近年増加傾向にある疾患であり、実際に視認して確認することが重要です。
症状
強い局所的な痛み、赤い斑点や水ぶくれが生じます。
脳疾患
脳腫瘍
前頭部の痛み、ふらつき、そして半身の麻痺症状がある場合、代表的な病気として脳腫瘍が挙げられます。脳内に発生する腫瘍で、発生部位によっては前頭部に痛みを引き起こすことがあります。
頭蓋内出血
頭蓋内出血は、出血した部位や広がりによって頭痛の症状が異なります。
多くは、突然の激しい頭痛や、吐き気・嘔吐を伴うほどの頭痛が生じます。
頭痛+側頭部(こめかみ)が
痛い
考えられる原因と症状・病気
緊張型頭痛
長時間同じ姿勢を続けること、目の酷使、過労、睡眠不足、ストレスなどが原因で、最も多く見られる頭痛です。
症状
締め付けられるような頭痛、頭の重い感じ、吐き気といった症状が見られます。
帯状疱疹
体内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが、体力が低下したタイミングで活性化し、発症します。
症状
身体の片側に帯状の痛み・かゆみを伴う発疹が現れ、顔面、頭皮、耳などで発生することがあります。
三叉神経痛
顔面の感覚を脳へと伝える「三叉神経」で痛みが生じることを指します。
症状
鋭い痛みが数秒~数十秒にわたって発生します。顔面から頭頂部にかけて、さまざまな部位にこの痛みが発生します。
群発頭痛
片側の前頭部や目の奥に、灼熱感を伴う激しい痛みが数十分から数時間続きます。この発作が数週間にわたり連日のように繰り返されるのが特徴です。頻度は年に数回から数年に一度程度ですが、発作期間中は日常生活に大きな支障をきたします。
症状
片側の前頭や目の奥に、灼熱感を伴う激痛が起こり、数十分~数時間続きます。
脳疾患
くも膜下出血
脳動脈瘤の破裂などにより、くも膜下腔に出血した状態を指し、バットで殴られたような頭痛は、こめかみや後頭部で現れることがあります。
その他、あまりに出血が多かった場合は意識障害、強い吐き気・嘔吐などの症状が現れます。
脳出血
脳出血を起こすと、発症時の突然の激しい頭痛が生じます。
後遺症として、痺れやチクチクとした神経障害性の痛みが現れることがあります。
脳梗塞
脳梗塞では、ビリビリ・ジリジリといった感覚異常を伴う神経障害性の痛みや、麻痺により
筋肉が十分動かせないことで、こわばるような痛みが生じます。
水頭症
水頭症を発症すると、初期は激しい頭痛が生じます。
慢性期では、起き上がると痛みが強くなる起立性頭痛などの症状が現れます。
頭痛+後頭部が痛い
考えられる原因と症状・病気
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、最も多く見られる頭痛です。
目の酷使、過労、睡眠不足、ストレスなどが原因です。
症状
締め付けられるような頭痛、頭の重い感じ、吐き気といった症状が現れます。
神経痛(後頭神経痛)
後頭部の神経に沿って走る鋭い痛みが特徴です。
筋肉による神経の圧迫が原因と考えられています。
症状
数秒から数分ズキン・ビリッとした電気が走るような痛みが生じます。
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウイルスが、体力が低下したタイミングで活性化し、帯状疱疹を発症します。
発疹が生じる前に、初期症状として頭痛が現れることがあります。
症状
ピリピリする、電気が走るような神経痛を生じます。
くも膜下出血
脳の血管が破裂し、くも膜の下に血液が溜まる病気です。これは脳動脈瘤の破裂によって引き起こされ、脳動脈瘤とは脳血管にできるコブのことを指します。
症状
「金属バットで殴られたような」と表現されるほどの強烈な頭痛が発生します。これは命に関わる状態であるため、直ちに救急車を呼んでください。なお、首の痛みが前兆として挙げられます。
椎骨動脈解離
首を通る血管の膜が裂けたり剥がれたりする病気です。血管が裂けることで、本来の血液の通り道とは異なる「偽腔」という道ができてしまいます。発症中は、くも膜下出血や脳梗塞のリスクが飛躍的に高まります。
症状
椎骨動脈解離では、解離した側にのみ痛みが生じることが多いです。初期症状として、後頭部やうなじに強い痛みがよく見られます。この強い頭痛は、1週間から1ヶ月と長期間続くことがあります。
頭痛+左右どちらかが痛い
考えられる原因と症状・病気
群発頭痛
片側の前頭部や目の奥に、灼熱感を伴う激しい痛みが数十分から数時間続きます。年に数回から数年に一度程度ですが、日常生活に大きな支障をきたすほどの症状が現れます。
症状
片側の前頭や目の奥に、灼熱感を伴う激痛が生じます。
神経痛(後頭神経痛・三叉神経痛など)
筋肉による神経圧迫により、後頭部の神経に沿って走る鋭い痛みが生じます。
症状
数秒から数分ズキン・ビリッとした電気が走るような痛みが現れます。
椎骨動脈解離
首を通る血管の膜が裂けることで、本来の血液の通り道とは異なる「偽腔」という道ができてしまいます。発症中は、くも膜下出血や脳梗塞のリスクが高まります。
症状
初期症状として、後頭部やうなじに強い痛みがよく見られます。椎骨動脈解離では、解離した側にのみ痛みが生じることが多いです。この強い頭痛は、1週間から1ヶ月と長期間続くことがあります。
脳疾患
くも膜下出血
脳動脈瘤の破裂などにより、バットで殴られたような痛みが、こめかみや後頭部に現れます。
その他、意識障害、強い吐き気・嘔吐などの症状が見られます。
脳出血
脳出血を起こすと、発症時の突然の激しい頭痛が生じます。痺れやチクチクとした神経障害性の痛みが後遺症として現れることがあります。
脳梗塞
脳梗塞では、ビリビリ・ジリジリといった感覚異常を伴う神経障害性の痛みが生じます。
麻痺により筋肉が十分動かせないことで、こわばるような痛みが現れることがあります。
頭痛がある際に行う検査
当院では、お一人おひとりに最適な診断と治療を提供するため、以下の検査を組み合わせています。検査結果は即日お伝えできますので、結果を待つ不安を抱えたままお帰りいただくことはありません。
問診
まず、頭痛の発症状況や頻度、痛みの種類(締め付けられるような痛み、ズキズキするなど)、視覚異常や吐き気などのその他の症状について詳しく伺います。これにより、頭痛の原因やタイプを絞り込みます。
神経学的診察
視覚、聴覚、筋力、反射神経などを確認し、神経系の異常が原因でないかを調べます。特に、麻痺や片側の痛みがある場合は注意が必要です。
血液検査
炎症、感染症、貧血、ビタミン不足など、全身状態を確認します。特に側頭動脈炎が疑われる場合、炎症マーカー(ESR、CRPなど)の測定が重要です。
その他の検査
必要に応じて、CT、視力検査、心電図、頸動脈エコーなどを組み合わせて、全身的な原因を探ることもあります。
より高度な精密検査が必要な場合は、専門医療機関へご紹介いたします。
頭痛が治まらず
ずっと我慢している方へ
こめかみの頭痛は、日々の生活に大きな負担となり、多くの患者さまが不安を抱えていることと存じます。「原因が不明なまま痛みが続く」「市販薬では改善しない」といったお悩みをお持ちの患者さまは、ぜひ一度当院にご相談ください。
当院では、頭痛外来において、こめかみの頭痛の原因に応じた最適な治療を提供しています。頭痛診断にはMRIを用いた精密検査や脳ドックを実施し、経験豊富な専門医が迅速に原因を特定します。また、検査結果は即日お伝えできるため、スムーズに治療へ移行できる体制を整えております。どんな些細な症状でも、患者さまの不安に寄り添い、快適な生活をいち早く取り戻せるよう全力でサポートいたします。
時に、脳卒中など命に関わる病気が頭痛の原因となっている場合もあります。特に、激しい頭痛、痛みが1週間以上続く、頭痛に加えて吐き気やめまい・痺れが生じる、呂律が回らなくなるなどの他の症状が出る場合は、できるだけ早く当院にご相談ください。

